…「わたしは、あなたの父アブラハムの神である。恐れてはならない。
わたしがあなたとともにいるからだ。わたしはあなたを祝福し、あなたの子孫を増し加える。
わたしのしもべアブラハムのゆえに。」… （創世記26章14～33節）
イサクたちは飢饉のため、ゲラル（ペリシテ人の地）に移動し、イサクの嘘からペリシテ人たちと争いましたが、主の祝福により恵みを得ました。裕福になったイサクは、ねたんだペリシテ人から追い出され、ゲラルの谷間へ移動しました。そこで井戸を二つ掘りましたが、ペリシテ人が来て、争うことになりました。そこで、広い所へ移動し、井戸を掘りました。そこでは争いになりませんでした。その後、ベエル・シェバに移動し、祭壇を築き、主の御名を呼び求めました。
イサクは、ペリシテ人と井戸のことで争ったとき、争いを好まず、他の井戸を掘り、さらに自分たちが移動する、平和を愛する穏やかな性格でした。井戸の争いがあった後、イサクに現れた主から祝福の約束を受けました。そして、主へ応答し、祭壇を築き、主の御名を呼び求めました。これらの出来事を通じて、イサクの信仰が成長していることが見えます。この歩みは、アブラハムの時と同じです。ベエル・シェバで再びアビメレクと対峙したイサクは、アビメレクを恐れることなく、自分の思いを伝え、アビメレクから主に対する思いを引き出しました。
イサクが成長したのは、試練を通しての体験と、主の祝福によるものです。ここを境にイサクは変わりました。イサクが祭壇を築いたベエル・シェバは、かつて、アブラハムがイサクを献げる決心をした場所です。イサクはアブラハムと同じように、祭壇を通して主に献げています。イサクへの祝福（２４）の約束の最期に、「わたしのしもべアブラハム」と言われています。アブラハムは、創世記の中で唯一、主が「わたしのしもべ」と呼んでいます。それは、アブラハムが主に従ったからです（５）。アブラハムが主に従ったことが、イサクの祝福になっています。
アブラハムが従ったことが境になり、アブラハムの子孫が祝福されます。それに続くイエスの登場は世界の救いの境となり、わたしたちの人生はイエスを信じたときを境にして変わります。その源流にはアブラハムの従順があります。今、信じた人が救われるのは、「アブラハムのゆえに」なのです。わたしたちは「アブラハムのゆえに」誰でも救われ、祝福を受ける資格を得ています。