『・・・・・すると、シモンが応えた。「先生。私たちは夜通し働きましたが、何一つ
　　　 捕れませんでした。でも、おことばですので、網を下ろしてみましょう。」・・・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ルカによる福音書　5章1～11節）


　４月に入って環境が変わり、期待と不安で新年度をはじめた方も多いでしょう。そうでない方も、心機一転、
春は気持ちが新たになります。しかし、期待通りに事が進めば良いのですが、必ず困難な状況を迎える時
が来ます。なぜなら、神様を知る機会が、困難を通して与えられるからです。今日の弟子達も同様でした。

　シモン・ペテロは漁師で、魚を捕る事を仕事としていました。特にペテロは舟を所有している船長として、湖
のことをよく知り、漁をリードしていました。この日も、よく分かっているガリラヤ湖で、いつものように熱心に、
夜通し皆で働きました。しかし、どういうわけか、その日は一匹の魚も捕れず、一晩働いたことは、徒労に終
わっていました。イエスは湖で、ペテロの舟から群衆に教えられました。話し終わると、ペテロに向って、網を
下ろして魚を捕るように言われます。ペテロが、捕れるはずがないと思っている事が、言葉の端に見て取れ
ます。しかし、イエスのおことばに従ったペテロとその仲間は、神の業をそこで見る事になります。

　私たちは礼拝やデボーションでは神のことばに耳を傾けますが、教会生活と社会生活を分離して考え、仕
事や日常生活では聞かなくなっている事があるのではないでしょうか。すでにイエスの弟子であったペテロ
（４章38節）も、同様でした。 イエスは、いつでも語り掛けて下さいます。私たちはその言葉に、どれぐらい耳
を傾けているでしょうか。人生の困難に遭遇しているとき、それはイエスの語り掛けを聞くチャンスであり、イ
エスが招いている時ではないでしょうか。

主に従うとき　（ルカによる福音書　5章1～11節）

　2021年4月25日礼拝にて