『・・・・・イエスはこのことを聞くと、舟に乗ってそこを去り、自分ひとりで寂しい所へ
　　　　行かれた。しかし、群衆はそれと聞いて、町々から徒歩であとを追ってきた。イエスは
　　　　舟から上がって、大ぜいの群衆をごらんになり、彼らを深くあわれんで、そのうちの
　　　　病人たちをおいやしになった。・・・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　（マタイによる福音書　14章13～14節）


　この頃バプテスマのヨハネは、ヘロデに捕らえられていました。そのヨハネが殺されたことを聞いた
イエス･キリストは、舟に乗ってそこを去りひとりになろうとしましたが、群集は主の後を追いました。主
の心は大きな痛みと恐れに支配されていたことでしょう。しかし主は舟から降りたとき、大勢の群集が
主を求めて集まっている姿を見、彼らを深くあわれまれ、そのうちの病人たちをいやされたのです。
わたしたちも、ただ問題のない平和な日々を送っているわけではありません。自分自身や人との関係
でのかかわりや、その時代に起こる想定を超えた出来事に不安や恐れを感じているのです。けれども
そこに自分を頼り、必要としている人々の姿を見る時、そこに神が力も与えてくださることを知るのです。
わたしたちは今何を見ているでしょう。それがわたしたちに不安や恐れを与えるものであったとしても、
同時に神の力を経験し、人々を励まし希望を与えるためのものでもあるということを忘れてはならない
のです。この後主は人々に希望のメッセージを語り、心だけでなく食べ物を持って人々の体の必要をも
満たしてくださったのです。

主の深いあわれみ　（マタイによる福音書　14章13～14節）

　2020年10月25日礼拝にて