『見よ、種まきが種をまきに出て行った。まいているうちに、道ばたに落ちた種が
　　　　あった。すると、鳥がきて食べてしまった。ほかの種は土の薄い石地に落ちた。
　　　　そこは土が深くないので、すぐ芽を出したが、日が上ると焼けて、根がないために
　　　　枯れてしまった。ほかの種はいばらの地に落ちた。すると、いばらが伸びて、
　　　　ふさいでしまった。ほかの種は良い地に落ちて実を結び、あるものは百倍、あるものは
　　　　六十倍、あるものは三十倍にもなった。 耳のある者は聞くがよい」。・・・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（マタイによる福音書　13章1～9節）


　イエス･キリストは、集まってきた群集に「たとえ」で多くの事を語られましたが、種まきのたとえも
その一つです。語られたことは誰でも理解できるものですが、そのたとえを通して、神がわたしたち
に用意してくださった、生き方の本質に目が開かれるかどうかが問われています。神がわたしたち
に与えてくださった命は、この世に存在する物や経験する出来事から遊離しているのではなく、む
しろ密接につながっています。だからこそ、身の回りに存在するさまざまな出来事を通して生き方を
学び、深めることができるのです。種まきのたとえでは、道端、土の薄い石地、いばらの地、そして
よい地の四つの場所が出てきます。種は同じでも、落ちる場所によってその結末は大きく変わって
きます。たとい芽は出ても、それが育ち実を結ぶかどうかはわからないのです。よい地に落ちた種
は実を豊かに結ぶようになりますが、そのよい地はどのようにしてできるのでしょう。もしあなたが
種だとしたら、今どのようなところにいるのでしょうか。目に見えるものを見るだけでなく、その背後
に生きて働かれている神の姿に思いをはせるならば、神と共なる豊かな生き方を、きっと発見する
ことができるはずです。

種まきのたとえ　（マタイによる福音書　13章1～9節）

　2020年10月18日礼拝にて