『・・・・・そのことを思って、今しばらくのあいだは、さまざまな試錬で悩まねばならない
　　　　　かも知れないが、あなたがたは大いに喜んでいる。こうして、あなたがたの信仰は
　　　　　ためされて、火で精錬されても朽ちる外はない金よりもはるかに尊いことが明らかに
　　　　　され、イエス・キリストの現れるとき、さんびと栄光とほまれとに変るであろう。・・・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ペテロの第一の手紙　1章3～7節）


　わたしたちは生まれも育ちもみんな異なり、当然、考え方や行動も違っています。物を持っているか
どうかや、力があるかないか、どういう責任と重荷を持っているかどうかでも変わっているのです。世
界には今も残酷な迫害や争いは絶えませんし、そういうニュースを聞くと「わたしは違う」　と思ってし
まいます。けれども、自分は人を責めたり、迫害していないと思っていても、わたしたちの内にある小
さなイライラやつぶやき、また恐れは、知らない間に人を責めたり苦しめたりしてしまいます。今は人
を傷つけていなかったとしても、わたしたちが違う立場や環境に置かれたとき、信じられないほど大き
な力を持ってしまい、目の前の大義のために、人々を苦しめ傷つけてしまうこともあるのです。だから
こそ神は、わたしたちが一人もれなく罪人であり、自分の行いによっては誰も神の前に立つことができ
ないことを教えて下さったのです。わたしたちの信仰の戦いは、すべてのことを善と悪とに分けるよう
な生き方との戦いであり、人の罪や失敗を見たとき、状況が違えば自分はもっと恐ろしい罪を犯して
いるかも知れないと認める事によって、十字架の意味を理解し平安を得ることができるのです。今も
絶えることなく飛び込んでくる悲しいニュースに出会うとき、すべての人が神に愛されており、自分の
罪を覆っていただいたわたしたちが、隣人の破れ口に立つものとして先に救われていることを、今一
度感謝させていただこうではありませんか。信仰の戦いは、神の深い愛による罪の赦しと、何ものに
よっても奪われることのない、永遠の命の希望によってのみ勝利することができます。そこには試練
も伴いますが、共にいてくださる主によって耐えることができ、喜びに溢れることができるのです。

試練の中にも与えられる喜び　（ペテロの第一の手紙　1章3～7節）

　2020年7月26日礼拝にて