『・・・・・戸はみな閉ざされていたが、イエスがはいってこられ、中に立って「安かれ」と言われた。
　　　　それからトマスに言われた、「あなたの指をここにつけて、わたしの手を見なさい。手をのばして
　　　　わたしのわきにさし入れてみなさい。信じない者にならないで、信じる者になりなさい」。トマスは
　　　　イエスに答えて言った、「わが主よ、わが神よ」。イエスは彼に言われた、「あなたはわたしを見た
　　　　ので信じたのか。見ないで信ずる者は、さいわいである」。・・・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヨハネによる福音書　20章24～29節）


　まだ寒い日もありますが、庭はすっかり春めいてきました。　人と直接会うのを避けることが当たり前になる
なんて、想像もしていませんでしたが、みなさんはどのようにお過ごしでしょうか。主と共にいることが当たり前
だった弟子たちも主から離れ、先の見えない不安に包まれ、人の目を避けて部屋に閉じこもっていました。
けれども主は彼らの中に現れ、十字架に付けられたときの傷跡を見せて平安を告げ、彼らの信仰を揺り動か
してくださったのです。主にとって、彼らのいた閉ざされた空間や、疑いに満ちた心さえも問題ではなかったの
です。トマスは他の弟子たちが主と出会ったときそこにはおらず、みんなが主が生きておられることを喜んで
いても、信じることができず苦しんでいました。しかし主はしばらくの時をおいて、このトマスにも現れ、『信じな
いものではなく、信じるものになりなさい』『見ないで信じるものは幸いである』と語りかけてくださったのです。
わたしたちは今、どういう状況にいるでしょう。変わらない日常を送っている人もいれば、これからの不安に心
が押しつぶされそうになっている人もいるかもしれません。責任ある立場で大きな決断を求められている人も
いれば、人と会うことを禁じられてストレスを感じている方もいるでしょう。しかし主はあなたがどのようなところ
にいても、またどのような状況であってもあなたの内にいてくださり、あなたの疑念や恐れを取り除き、立ち上
がらせてくださいます。 見ないでも信じる者となろうではありませんか。

見ないで信じる者の幸い　（ヨハネによる福音書　20章24～29節）

　2020年4月26日礼拝にて