『・・・・・さて兄弟たちがシケムに行って、父の羊の群れを飼っていたとき、イスラエルは
ヨセフに言った、「あなたの兄弟たちはシケムで羊を飼っているではないか。さあ、
あなたを彼らの所へつかわそう」。ヨセフは父に言った、「はい、行きます」。父は彼に
言った、「どうか、行って、あなたの兄弟たちは無事であるか、また群れは無事であるか
見てきて、わたしに知らせてください」。父が彼をヘブロンの谷からつかわしたので、
彼はシケムに行った。・・・・・ヨセフが彼らに近づかないうちに、彼らははるかにヨセフを
見て、これを殺そうと計り、互に言った、「あの夢見る者がやって来る。さあ、彼を殺して
穴に投げ入れ、悪い獣が彼を食ったと言おう。そして彼の夢がどうなるか見よう」。』
（創世記 37章12～24節）
人々が神にどのように導かれ、用いられたかを聖書を通して学んでいく時、日常の出来事や人々の
心に浮かぶいろいろな思いの中に、神が働かれているのを見ることが出来ます。わたしたちが『なぜ！』
『どうして！』と叫んでいる時、また、どんなにわたしたちが混乱し、失敗してしまったように見えても、神
は愛の計画を持って導いてくださっているのです。神はヤコブに12人の男の子を与えられましたが、彼
らは4人の母親から生まれた兄弟でした。ヤコブが愛した女性から生まれたヨセフをヤコブは特別にか
わいがり、それによって他の兄弟たちはヨセフを憎むようになります。けれども、アブラハム、イサク、
ヤコブと導かれる中で、神は確かに大きな目的を持って彼らを導びくことが出来るのです。しかも、その
憎しみさえも神は救いの恵みへと変えてくださるのです。神は人々を訓練してくださり、内なる人の現実
を見せ整えてくださるのです。またわたしたちひとりに変わらない神の約束を信じる信仰を求められられ
るのです。人は生まれる時の国や時代を選ぶことはできません。けれども何を土台にして生きていくかを
選ぶことはできます。神は聖書に出てくる人々を通して、この世の知恵や力、富や血筋に頼るのではなく、
ただ神を信じ神に従う生き方をわたしたちに教えてくださっています。どんな時にも、神が愛を持ってわた
したちを導いてくださっていると、信じ奮い立とうではありませんか。