『・・・・・神は、すべての人々に命と息と万物とを与え、 また、ひとりの人から、
　　あらゆる民族を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに時代を区分し、
　　国土の境界を定めて下さったのである。こうして、人々が熱心に追い求めて捜し
　　さえすれば、神を見いだせるようにして下さった。・・・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（使徒行伝　17章22～31節）


　イエス・キリストの救いに預かったパウロは、偶像の溢れているアテネに導かれ、生きて働かれる
神を証しすることになります。アテネの人々は信心深く、いろいろなものを神としているだけでなく、
「知られない神に」と刻まれた祭壇まで作っていました。これらのものを見たパウロは心に憤りを感じ、
機会を見つけてはいろいろな場所で人々と議論を戦わせました。やがてイエス・キリストとその復活
に目新しさを覚えた人々の前で証しすることになり、イエス・キリストに出会って知ることの出来た生
ける神と、その救いについて語りだしたのです。議論好きで世界中のあらゆる知恵と知識を求め続
けている人々にとって、パウロの語ることは確かに興味深かったかもしれませんが、死人のよみが
えりについて聞くに至り、多くの人々は去ってしまいます。けれども多くの人々と議論していく中で、
神はパウロを訓練して整え、人々が自分たちに近づけてしまっていた神と、わたしたちを創られた
神との違いについて理解させて下さいました。人々は、神を求めているといいながら、知恵や力を
求め、人よりも勝った知識を持つことに満足を求めていましたが、神は多くの人々が去っていく中、
信じる者をも備えてくださったのです。正しいことを語れば人が信じ従ってくるわけではありません。
間違っているとわかっていてもそれに聞き従う者があります。神はそのような中一人一人の心に語
りかけ、時や人を備えて、自分が見ようとしなかったことに気が付かせ、自分の力や思いをはるか
に超えた存在によって生かされていることを教えてくださるのです。そのために、自分をごまかさず
に心に語りかけてくださる聖霊なる神をいつも意識することを心がけようではありませんか。

誰にでも見いだせる神　（使徒行伝　17章22～31節）

　2018年1月21日礼拝にて