『あなたがたは、はたして信仰があるかどうか、自分を反省し、自分を吟味するがよい。
　　それとも、イエス・キリストがあなたがたのうちにおられることを、悟らないのか。
　　・・・・わたしたちは、真理に逆らっては何をする力もなく、真理にしたがえば 力がある。』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（コリント人への第二の手紙　13章5～10節）


　神はパウロを通して、わたしたちに本当に大切なものは、わたしたちの側にあるのではなく共にいて
くださる神にこそあることを教えてくださいました。頭ではわかっていても、自分の考えや思いから離れ
ることは難しく、神を信じるといいながら、自分の経験に流されてしまうのも、わたしたちの現実です。
パウロは自分の知識と経験、そして神の直接的な取り扱いによって、この世の知恵や力のむなしさを
知り、血筋による選びではなく、神を信じ受け入れ、従う信仰こそ、何者によっても動かされることの
ない大きな恵みであることを力強く語っているのです。彼は最後に「自分自身を吟味すべきこと」を命じ
ています。それはイエス・キリストがわたしたちのうちにおられることに気づき、その主に従うことによっ
て平安が与えられること。しかもその平安は共にいてくださる神からくる平安であって、人の力やこの世
の努力によって与えられるものとは異なるものなのです。わたしたちはいつまで自分の知識や力に頼り、
主に逆らうような生き方をしてしまうのでしょう。共にいてくださる主を認めて平安を頂くためには、今より
頼んでいるものに一度絶望しなければならないかもしれませんが、それでも主を認めその主と共に生き
る幸いを思うと、引き下がるわけにはいかないのです。この時代に生かされているわたしたちがこの世
と妥協せずに、主と共に生きることを願い自らを主の手に委ねて取り扱われることこそ、わたしたちに
必要な決断ではないでしょうか。

自分を吟味する　（コリント人への第二の手紙　13章5～10節）

　2016年9月4日礼拝にて