『地上に平和をもたらすために、わたしがきたと思うな。平和ではなく、つるぎを投げ込むために
きたのである。わたしがきたのは、人をその父と、娘をその母と、嫁をそのしゅうとめと仲たがい
させるためである。そして家の者が、その人の敵となるであろう。わたしよりも父または母を愛する
者は、わたしにふさわしくない。わたしよりもむすこや娘を愛する者は、わたしにふさわしくない。
また自分の十字架をとってわたしに従ってこない者はわたしにふさわしくない。自分の命を得て
いる者はそれを失い、わたしのために自分の命を失っている者は、それを得るであろう。・・・』
(マタイによる福音書 10章34~42節)
神の祝福は、わたしたちの願いがかなえられる事や、思わぬ成功をして自己満足することではありません。
むしろわたしたちが日常生活の中で苦しみ悩み、時には絶望しそうになる現実の中で神を知り、その神の前
に重荷をおろして安心するところにあります。わたしたちが神に愛されていることを知っており、神に生かされ
ていることを信じているならば、その神にしっかりと繋がっていればいいのですが、実際は親しい友人や家族
など身近な人々は、神よりも優先させるべき存在となっていることがほとんどです。神よりも前に家族があり、
仕事があり、自分の楽しみや人生がある。しかし、聖書はわたしたちに、神を一番に置くことが、いかにぶれ
ない普遍的な力となるかを教えています。今日開いた主の言葉は一見厳しいように見えますが、むしろ神は
あなたが神のものとなっていくならば、神ご自身があなたの大切な家族や友人を祝福して下さること、すべて
のことは神が愛するわたしたちと共に働いて、祝福に変えて下さることを信じる信仰に生きているかが問わ
れているのです。子供や弱い存在をわたしたちが楽しませ喜ばせるのではなく、どんな時にも共にいてくだ
さる神を信じその神に愛するものを委ね切る信仰を与えていただこうではありませんか。
自分の十字架 (マタイによる福音書 10章34~42節)
2015年11月15日礼拝にて