生きよ！　（エゼキエル書　16章6節）

　『わたしはあなたのかたわらを通り、あなたが血の中にころがりまわっているのを見た時、
　　わたしは血の中にいるあなたに言った、『生きよ、野の木のように育て』と。・・・わたしは
　　着物のすそであなたをおおい、あなたと契約を結んだ。そしてあなたに誓い、あなたと
　　契約を結んだ。そして、あなたはわたしのものとなったと、主なる神は言われる。』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（エゼキエル書　16章1〜8節）


「どうせ私なんて・・・やるだけ無駄だ・・・」という自己嫌悪と絶望感は、現代を生きる多くの人の心に
巣食っています。しかし、神様はそのような苦しみの中にいる全ての人に「生きよ！」と語りかけられ
ます。この聖書の言葉は、周りの人々から期待されず、愛されもしないユダヤ民族(エルサレムの町)
への愛を神様が語っている箇所です。

　ここに、産み落としたお母さんに産湯で洗ってもらえず、そのまま捨てられていた血まみれの赤ん坊が
出てきます。その赤ん坊への呼びかけになぞらえて、神様は、「生きよ！私はあなたを愛している。」と
おっしゃっているのです。そして、血まみれの、誰の目にも醜い赤ん坊が、神様に目を留めていただけた
結果、美しい女性に成長し、結婚するというストーリーが描かれているのです。

　しかし、彼女は愛されながらも花婿を裏切ります。花婿は怒り、嘆きますが、驚くべきことに、彼女と交わ
した契約の為に彼女を赦すのです。そして、更に永遠の契約を結びます。この花婿こそイエス・キリスト、
花嫁は私たちです。神様以外のものに頼って失敗したり、時に人生に絶望してしまうような私たちを主は
見捨てず、なおも赦し、愛して下さるというのです。「わたしは何人の死をも喜ばないのである…翻って生
きよ」(18:32)

　神様が望む「生きよ」とは、私たちが失敗や困難がなく生きることではなく、どんな失敗や困難に打ちひし
がれても、「翻って主イエスを見上げ、主イエスの命で生きよ。何度でも赦され続けて生きよ。よみがえりの
命で生きよ。」という事なのです。自分ではなく主イエスに期待しましょう。主の真実が私たちを本当の意味
で生かし、造り変えて下さいます。

　2015年5月10日礼拝にて