Ⅰ．主なる神こそわが助け
121篇は、礼拝するためエルサレムへと上って行く巡礼者の詩です。長く険しい旅路の不安から「わが
助けはいったいどこから来るのか」と、自分自身に問いかけた作者は「わが助けは、天と地を造られた
主から来る。」と、助けはこの天と地とを創造られた神からくると強く確信しました。日本には、自然の荘
厳さや雄大さに神秘的な力を求める信仰や思想がありますが、その荘厳で雄大な自然を創造され、治
めておられる偉大な神がおられるのです。そして、力と助けは雄大な自然からではなく、この神から来る
ということを覚えなければなりません。「主なる神こそわが力です」と心から告白する者でありたいのです。
Ⅱ．主はあなたを守る方
続いて、3節以降はこの作者が、助けて下さる神はどのようなお方であるかを明らかにすると同時に、
「わが」から「あなた」と周囲の人に信仰を励ます文章に切り替わっています。作者が告白しているよう
に、神は一時も休まずに私たちに目を注ぎ、私たちのこの世の人生の旅路を守って下さるお方です。
ところが、私たちの人生は神の守りを実感できない事態にしばしば遭遇します。しかし、全ては神のご
計画と摂理の中にある事を忘れてはなりません。また、神に対する私たちの不信仰や不従順が、神の
助けや守りを妨げる原因になることを聖書（イザヤ５９：１～２）は記していますから、常に信仰姿勢の
点検が必要です。
あなたの助けは天地を造られた主からきます。このお方は「わたしは決してあなたを離れずあなたを
捨てない」とご自身の名にかけて守って下さるばかりか、ご自身の御子を与えるほどあなたを愛しておら
れるお方です。この主なる神のみを信じ、信頼する人生を歩もうではありませんか。