十字架への道　（ルカによる福音書　23章13〜25節）

　『・・・しかし彼らは、わめきたてて「十字架につけよ、彼を十字架につけよ」と言いつづけた。
　　ピラトは三度目に彼らにむかって言った、「では、この人は、いったい、どんな悪事をしたのか。
　　彼には死に当る罪は全くみとめられなかった。だから、むち打ってから彼をゆるしてやることに
　　しよう」。ところが、彼らは大声をあげて詰め寄り、イエスを十字架につけるように要求した。
　　そして、その声が勝った。・・・』
　　　　　　　　　　（ルカによる福音書　23章13〜25節）


　いよいよ今年も受難週となります。まだまだ寒さは続くと思っていましたが、気が付けばもう春です。神は

イエス･キリストの十字架の救いをわたしたちに用意してくださいましたが、それは罪の赦しと永遠の命の望

みです。わたしたちはイエス･キリストを通して与えられた神の恵みを知っていますが、その恵みをどこまで

理解しているでしょう。イエス･キリストがわたしたちのために用意してくださった救いはとても大きな犠牲が

伴っているのです。そしてその犠牲は神の愛です。この世の悩みや戦いは尽きることがありませんし、人は

何かあると結局正義を力で実現しようとし、かえって悲しみや絶望を広げていってしまいます。イエス･キリス

トのわたしたちに対する思いは愛です。責任や義務ではなく、わたしたちの弱さを知りわたしたちの破れ口に

立ってくださいます。そしてその破れを繕ってくださるのです。弟子たちですら主の十字架を受け入れることが

できず、逃げ出してしまいました。主は自分を迫害する者をも愛し、徹底的に執り成してくださいました。今、わ

たしたちに求められているのも、主がわたしたちを愛してくださったように神を信じて愛し続けることでないでし

ょうか。主なる神は、信じるわたしたちと共に働いてくださらないはずはありません。

　2015年3月29日礼拝にて