敵を愛し、迫害する者のために祈れ　（マタイによる福音書　5章43〜48節）

　2013年10月6日礼拝にて

　『「隣り人を愛し、敵を憎め」と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。しかし、
　　わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。こうして、天にいますあなたがた
　　の父の子となるためである。天の父は、悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせ、正しい
　　者にも正しくない者にも、雨を降らして下さるからである。』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（マタイによる福音書　5章43〜48節）


　神がモーセを通して与えられた律法を、人々は忠実に守ってきました。しかしイエス・キリストが人々に

語ったメッセージは、それまで人々が理解し、行ってきたものとは異なっていました。「隣り人」という言葉

一つとってみても、自分たちの同胞をだけをさすのではなく、敵対関係にあったとしても、助けを必要として

いるあらゆる人を含むことを、教えてくださったのです。すなわち、今まで、神の御心を人の理解によって

限定していたのを、神の視点で見ることによって、もっと広く大きな信仰のあり方をわたしたちに教え、示し

たのです。別の言い方をするならば、神はイエス・キリストを通して、わたしたちがすべてを正しく理解する

のではなく、神を信頼し、神がわたしたちを愛して、最善の取り扱いと導きを与えられると信じる信仰を求め

られたのです。だからこそ「敵を憎め」ではなく、すべてをご存知の主にあって「敵を愛し」「迫害するものの

ために祈れ」とわたしたちが、重荷と思い煩いを主の手にゆだねて、神に従う信仰を求められたのです。し

かも、わたしたちが神を信頼し神の前にすべての重荷と思い煩いをゆだねる時、わたしたちを苦しめ迫害

する者を通して自分自身の姿を見い出し、そこに神の深い愛と恵みを覚えて、心から感謝する事が出来る

ようにしてくださるのです。