永遠の生命を得るために　（マタイによる福音書　19章　16〜22節）

　2011年10月9日礼拝にて

　『「この青年はイエスに言った、「それはみな守ってきました。ほかに何が足りないのでしょう」。
　　イエスは彼に言われた、「もしあなたが完全になりたいと思うなら、帰ってあなたの持ち物を
　　売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに
　　従ってきなさい」。』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（マタイによる福音書　19章　20〜21節）


　　毎日のニュースは、わたしたちの生きている世界の価値観の多様性と、生き方の多様性を感じ

させます。それと同時に、わたしたちが小さくて弱い存在であることを思い知らせてくれます。その

ような中でわたしたちが求めているのは何でしょう。力や富や知恵を求めているように見えて、実

のところ安心を求めているのではないでしょうか。この安心を求める心は、わたしたちがどんな失

敗や過ちを犯してもやり直したり挽回できるチャンスのある永遠のいのちへと向かいます。しかし

人はそれを得るためにこの世の知恵や力を求めていくようになるのです。そしてここに大きな問題

があります。それはわたしたちが限りのあるいのちを生きているのであって、この地上においては

いつまでも生きることが出来ないことです。イエス・キリストのところにやってきた金持ちの青年は、

人から見れば、まじめで信仰深い生き方をしてきたようです。しかし心には不安がありました。それ

はこの世の富をたくさん持っていたからです。イエス・キリストは彼に対して、この世に属するもの

をすべて処分して必要な人々に分け与え、天に宝を蓄えて、神と共に神の平安を持って生きるこ

とを教えました。わたしたちは、この世の成功が平安な人生の根拠であると勘違いしてしまうこと

があります。しかし、わたしたちもすべてを神にゆだね、神と共に生きる自由と喜びに満たされて

生きようではありませんか。