五つのパンと二匹の魚 （マルコによる福音書 6章 33〜40節）
2009年11月08日礼拝にて
『「さあ、あなたがたは、人を避けてさびしい所へ行って、しばらく休むがよい』。
それは、出入りする人が多くて、食事をする暇もなかったからである。
・・・・・みんなの者は食べて満腹した。」』
（マルコによる福音書 6章 31〜42節）
五千人の給食といわれる五つのパンと二匹の魚の奇跡は、四つの福音書で証しされ
ている大きな出来事であった。マルコによると、主の働きを終えて集まってきた使徒たち
だったが、出入りする人が多くて食事をする暇もなく、主に「人を避けて、しばらく休みな
さい」と言われたことに始まっている。使徒たちは船に乗って寂しいところに出て行くが、
人々は方々の町々から駆けつけ先回りをしており、主はその飼う者のない羊のような様
子を見て深く哀れみ、いろいろと教えられたのである。やがて人々を解散させなければ
ならなくなった時、「あなた方の手で食物をやりなさい」と主は弟子たちに命じられる。
考えてみれば、弟子たちこそ疲れてお腹をすかせており、休息が必要だったはずであ
る。しかし、主の目に群集の姿は、弟子たち以上に疲れて危機的な状況に見えた。つ
まり聖霊は、飢え乾いた魂に糧を与えるように主を導かれたのである。この驚くべき神
のみわざこそが、人々が切に求めていたものだったのである。わたしたちも疲れていて、
休息が必要かもしれない。しかし、神の恵みを知らずに、右往左往している多くの人々
の中にあって、主に出会っているわたしたちは幸いである。「あなたの手で食物を・・」
と声をかけてくださる主は、わたしたちにそのわざを見せてくださる方であり、それによ
ってわたしたちを満たし、立たせてくださるかたである。わたしたちの手にあるものを持
って、主に従おうではないか。
