「わたしをお守り下さい」との祈りから始まるこの詩篇には、神への信頼と従順、そして信仰の
確信のうちに溢れる平安と希望に満ちています。苦難の中にあるとき守って下さる方がいる、
そして、祈ることが出来る、これは私達の信仰の土台であり、弱さの中にあってなお揺らがな
いと言うことが出来る主から与えられる希望と平安です。ダビデは多くの苦難、試練のまった
だ中で、心の楽しみと魂の喜びを歌います。この信仰は主に信頼する者が、主に在ってのみ
持つ事が出来る信仰です。
①主に寄り頼む信仰（詩篇１６：１～７）
「あなたに寄り頼みます(1)、あなたのほかにわたしの幸いはない(2)」苦難の中でこの一言
が言えるのは、神の恵みを知っているからです。他の神々を選ばず(4)、主がわたしにとって
好ましいものを与える方である事を深く知り(5,6)、個人的な交わりの中で導きを与えて下さ
る御方であると認める(7)、このように私と神の関係が確かであるならば、私達は恵みに目
が開かれます。恵みを知る者は、苦難の中でも主に寄り頼む信仰によって立つ事が出来る
のです。
②主が右におられる確信（詩篇１６：８～１１）
8～11節には、主に寄り頼む信仰の内容が記されています。主を前に置く、これは積極的な
主への求めです。主が右にいるから動かされない、これは助け人が側にいる臨在の確信で
す。(8)常に主を求め、主が共におられる臨在の確信を持つ者は、どんな状況の中でも揺ら
がず、心は喜び楽しみ、安らぎを得る事が出来ます。(9)主が私達を導こうとされるいのちの
道は、喜びと楽しみに満ちあふれているのです。そして、私達は十字架の主イエスによって、
主が右におられる確信を持つ事の出来る人生のあり方に導いていただきました。主に在っ
て「わたしは動かされることがない」と言わせていただきましょう。