『「神には、なんでもできないことはありません』。そこでマリヤが言った、
「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように」』
（ルカによる福音書 1章 37～38節）
昨今「想定外」な「ありえない」事故や災害が頻発している。「ちゃんとやっていたのに何でこんな事が！」という叫びは、信仰の世界でも聞こえてこないだろうか。「神を信じていたのになぜこんな事が！」。そこで神を否定するか、なお神に信頼するかで人生は大きく変わる。
①ユダの民の不信仰
バビロン帝国が南ユダ王国を滅さんとしているとき、時の王ゼデキヤは、投降すれば助かるという主の言葉を無視した。神国ユダ、神風が吹き神が勝利をもたらす！捕囚などユダの民にとって今まで「ありえない」ことだった。神の言葉を否定した彼らには多くの悲惨が待っていた。
②パウロの人生
パウロはユダヤ教の名門出のエリート教師。劇的回心経験もあり、先駆的な宣教師・教会の指導者であった。しかし、行く先々で災難、投獄。「ありえない」と思えるような状況で彼は「わたしの身に起こったことが、むしろ福音の前進に役立つようになった」と言ってのける。神に信頼した囚人パウロを通してローマの中枢にまで福音は浸透し、後にローマがひっくり返る神のわざを見る。
③マリヤの信仰
ありえない神のわざの前進は、知識や富や経験、信仰歴によるのでもなく、単純な信仰の連続による。マリヤは富も知識も経験もない一少女。彼女の身に降りかかったのは夫を知らずして神の子を宿す「ありえない」み告げ。彼女がしたことはただ一つ。神への全面信頼。彼女は御子イエスを出産、そして主の十字架の死と復活という、人にはとうていありえない神の最高のわざを見るに至る。「ありえない」状況の中、パウロのような立派な大人も、マリヤのような少女も、私たちがすることはただ一つ。神への全面信頼。その時、神のわざは湧き起こる。
ありえない神のわざを見る （ルカによる福音書 1章26～38節）
2010年01月17日礼拝にて
