　『・・・高慢にならず、たよりにならない富に望みをおかず、むしろ、わたしたちに
　　すべての物を豊かに備えて楽しませてくださる神に、望みをおくように、・・・。』　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（テモテへの第一の手紙　6章　17節）

　テモテに対して書き送ったパウロの手紙は、現実の生活で直面する課題に対して、

深い愛と配慮をもって記されている。しかし、福音の本質を理解し、信仰の目標を正

しく掲げていくならば、生活の中に具体的に力強く働かれる主を、見出すことが出来

るはずである。この手紙の最後でパウロがテモテに語ったのは、この世の富んでい

る者たちへの警告である。目に見えるものに望みをおくのは人の常である。しかしパ

ウロは、私たちの望みは神にあり、さらに神は、すべての物を豊かに備えて、楽しま

せてくださる方であることを教えている。さて、それではあなたは今、何に望みをおい

ているだろうか。どんなに価値があり、頼りになるように思えても、それがこの世のも

のである限り、その価値は失われる。なぜならわたしたちは、永遠にこの世に生きる

のではなく、やがては肉のからだを脱ぎ捨てて、造り主なる神の用意してくださる栄

光の身体をいただいて、神と共に生きることになるからである。わたしたちが、この世

ではなく神に望みを置くのであれば、与えられた生涯を自分のためだけでなく、隣人

のためにも喜んで用いるべきである。神から与えられたものを、惜しみなく与えること

を喜ぶなら、わたしたちは真の命を得るために、未来に備えてよい土台を築いている

ことになる。神を信じるわたしたちは、神の豊かな富によって生かされていることを認

めるべきである。

神にのぞみをおく （テモテへの第一の手紙 6章 17～21節）

神にのぞみをおく　（テモテへの第一の手紙　6章　17～21節）