　『神が死人をよみがえらせるということが、あなたがたには、どうして信じられないこと
　　と思えるのでしょうか。』　　　　　　（使徒行伝　26章　8節）

パウロは、自分がイエス・キリストと出会い、生涯が新しくされたときの事

をいろいろな人の前で証しているが、ここではアグリッパ王の前で自らの体

験を証ししている。一言でまとめるならば、今、自分は神の約束によって与

えられる希望によって訴えられていると、パウロは主張しているのである。

わたしたちもいろいろな場面で、信仰による困難に直面するが、問題の本質

を抑えていると、かえって困難や戦いの中にある時ほど、周囲の人々に福音

を伝えることができる。ここでパウロはイエス・キリストについて、事細か

に説明したわけではないが、神がイエスキリストをこの世に送り、十字架の

事実がパウロにとってどのような意味を持つかを、神によって与えられた希

望という言葉で表したのである。わたしたちが、福音を人間の知恵や行いの

中で理解しようとする時、神の力や神の御わざを見失うことになるかもしれ

ない。しかし、イエスキリストの福音を、変わらない神の愛と、全能の神の

御手に期待する信仰に置くならば、イエスキリストの十字架の事実が神の深

い愛から来る一方的な恵みであることを理解することができるのである。あ

なたは神に対する望みに生きているだろうか。もし知識や行いが土台となっ

ていたならば、神の約束と、イエスキリストの十字架によって与えられた、

罪の完全な赦しと永遠の命の望みを土台とすべきである。

神による希望 （使徒行伝 26章 2～8節）

神による希望　（使徒行伝　26章　2～8節）