最後まで愛しとおす（ヨハネによる福音書 13章 1〜11節）
2007年04月1日礼拝にて
『過越しの祭りの前に、イエスは、この世を去って父のみもとに行くべき自分の時が
来たことを知り、世にいる自分の者たちを愛して、彼らを最後まで愛し通された。』
（ヨハネによる福音書 13章 1節）
あなたは受難週を迎えるにあたって、どれくらい主に感謝をささげ、喜びを味わった
だろうか。主の十字架の大きな苦しみによって、かけがえのない救いの価値を教えら
れ、すべての罪を赦され、いつでも神の前に立てるのは、大きな祝福である。主は、弟
子たちを愛する愛によって力が与えられ、十字架の辱めと痛みに勝利された。主の、
僕（しもべ）に徹する姿から、その命がけの愛を学ぶことが出来るのである。そして、わ
たしたちもまた、困難な状況に直面するとき、神がわたしたちに期待をもって重荷を委
ねてくださっていることを知り、神を信頼してすべてを神に委ねることができたら、神か
らの一方的な助けと、平安を体験することができる。十字架は、イエス・キリストのかか
られた死刑の道具というだけではなく、神から離れしまっている人の罪や人間の無力と
それを認めようとしない愚かさ、しかし、それでもわたしたちを愛し、生かそうとされる神
の忍耐と愛を知るためのかけがえのないあかしなのである。イエス・キリストは十字架
にかかられる前に弟子達の足をひとりずつ洗われた。まさに僕となり互いに足を洗い合
うことこそ主の業であることを、自らの姿を持って示してくださったのである。わたしたち
が十字架のめぐみを知るためには、主のしてくださったように隣人を愛し、見返りを求め
るのではなく、犠牲を払って仕えることの喜びを現実に体験することが必要である。
