共に働かれる主（マルコによる福音書　第16章19〜20節）

2005年10月23日礼拝にて

　『弟子たちは出て行って、至る所で福音を宣べ伝えた。主も彼らと共に働き、御言に伴うしるしをもって、

　　その確かなことをお示しになった。』　（マルコによる福音書16章20節）


　イエス・キリストは３年半の公生涯を通して、父なる神が造り主であり、どこまでもわたしたちを愛して下さっている

ことを、十字架の事実を通して証しして下さった。それだけではなく、わたしたちに使命を与え、主にあって輝いて生

きる事が出来るように模範を残してくださったのである。 イエス・キリストは弟子たちを、知恵と力に秀でた存在に育

てたわけではない。もちろん、罪も過ちもない完全な存在に育てたのでもない。かえって、いろいろな場面で弟子たち

の弱さや罪を徹底的に示し、神の愛と赦し、そして助けがなければ何も出来ない存在である事を教えられたのである。

今は科学の発達により便利な時代になったかもしれないが、人の心は便利で一見自由な生活でのなかで、神ではな

く自分の知識や成功にその幸せの土台を求めてしまっている。マルコは、福音書の最後に、主の宣教命令と共に、

主の約束をもって筆を置いている。それはどこまでも頑なな弟子たちを責めると同時に、全世界に出て行って福音を

宣べ伝えよ、すべての人の救いのために、「立ち上がれ！」という使命の確認であり、御言に伴うしるしによって、主

が共に働いてくださることを思い出させてくれるのである。共に働いてくださる主に期待しようではないか！