この世では悩みがある（ヨハネによる福音書　第16章29〜33節）

2005年08月28日礼拝にて

　『これらのことをあなたがたに話したのは、わたしにあって平安を得るためである。あなたがたは、この世ではなやみ

がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている。』（ヨハネ16章33節）


　 秋の風の中に虫の声を聞いていると、子供の頃が懐かしく思い出されてくる。人生の歩みの中でいろいろな人と出会い、

いろいろなことを学んできたが、いつの間にか新しかったものも古くなり、輝いていたものも輝きを失ってしまっていたりす

る。しかし時の流れの中にあって変わらないものに触れる時、心に安らぎを感じるのである。神はイエス・キリストを通して、

わたしたちに対する愛と、救いの確かさとを示してくださった。これは変わることのない恵みであり約束である。イエス・キリ

ストからいろいろなことを学んだ弟子達は、「あなたはすべてのことをご存知で、神からこられた方であることを信じます。」

と告白した。しかし、すべてのことをご存知の主は、「あなたがたは、わたしを一人だけ残して去る時が来る。しかし、わたし

は一人ではなく父と一緒だ。」と語られた。わたしたちが主に従うつもりでも従えないことを、神はわたしたち以上に知ってい

てくださる。だからこそ「あなたがたは、この世では悩みがある！」と断言し、「心配するな！」と語り、「わたしはすでに世に

勝っている！」と宣言してくださったのである。この世の悩みに負けるのではなく、勝利者である主がどんな時にも変わら

ず、愛の御手によって導いてくださることを信じて歩もうではないか。