目をさまして祈る（マルコによる福音書 第14章32〜42節）
2006年3月26日礼拝にて
『アバ、父よ、あなたには、できないことはありません。』 （マルコによる福音書14章36a節）
造り主である神を知ると、弱く不完全な自分自身が見えてくる。十字架の愛を知ると、自分の中の罪の大きさが見えて
くる。神はわたしたちの弱さと罪を知った上で、十字架に示された愛をもって、すべてを背負ってくださった。それは、神の
わたしたちに対する一方的な愛である。それを認めて、受け入れることが信仰であり、救いの本質である。イエス・キリス
トは、わたしたちの内なる罪を暴き、見せかけの義ではなく、造り主なる神によって義と認められる幸いを教えられた。イ
エス・キリストは十字架を目前にした祈りを通して、大きな悲しみと苦しみを味わわれたが、それは、神を信じていなかっ
たからではなく、神の思いを知っており、その力を信じていたからである。すなわち、「・・・あなたには、できないことはあ
りません。」との信仰に立ったからこそ、自分の人としての弱さに苦しみ、さらに、「みこころのままになさってください。」と
祈ることができたのである。弟子たちは、イエス・キリストの思いも神のみこころも理解しないで、ただ眠ってしまっていた。
わたしたちが、愛する者の一人も滅びる事を願われない神の思いを知るなら、神が目をさましている者を用いて、その救
いを実現されるはずであることを信じるのは、当然である。今の時代に立てられた者として、目をさまして主のみこころを
知り、信じて従うものとなろうではないか。
