さばくかたは、主である（コリント人への第一の手紙 第4章1〜7節）
2006年2月5日礼拝にて
『だから、主が来られるまでは、何事についても、先走りをしてさばいてはいけない。』
（コリント人への第一の手紙4章5節a）
パウロは、この手紙の中で、植える者も水を注ぐ者も、ともにとるに足りない存在であり、大切なのは成長させてくだ
さる神であると語っている。と言うのも、この世では人の知恵や富、家柄などがものを言うが、ともするとキリストにある
交わりにおいてさえ、この世の価値観が幅をきかせてしまっていたからである。パウロはこういった現実の中で『誇るも
のは主を誇れ』と繰り返し、神の前の人間の愚かさと、神の全能について論ずるのである。つまり、私たちは知っている
つもりで何も知らない存在であり、知恵はどこまでも神に属する。神は私たちに、知恵や力ではなく、キリストに忠実で
あることだけを求めておられる。気がつけば、私たちは自分で自分を裁き、人の言葉に傷付いていく。しかし私たちを
裁くのは人でも自分自身でも無く、私たちを造り、しかも愛してくださっている全能の神なのである。あなたを偉くしてい
るのは誰か。あなたの持っているものは全て与えられたものであるならば、ただ感謝をもって全てを恵みに代えてくだ
さる神を喜ぶべきである。わたしたちがどんなに弱くても、私たちを評価なさるのは造り主であり、心の深みまで理解し、
愛して下さる神である。ただ事毎に、全てを知っておられる神がおられることを覚えて、その手にゆだねつつ、ただ、神
の前に忠実に歩もうではないか。
