ふつつかな僕（ルカ　第17章　1〜10節）

2003年11月23日礼拝にて

　 人につまずきを与えないため、人の罪を赦すために、必要なのは、「からし種一粒ほどの信仰」です。どんなに小さな

信仰であっても、それが生きて働く本物の信仰であれば、不可能も可能になります。このような信仰とは何かを教えるた

めに語られたのが、７節以下の譬え話です。

　 一日の労働を終えて帰って来た僕は、真っ先に主人の夕食の用意をし、給仕をした上、「ふつつかな僕です・・・」と言

わねばなりません。

　 私たちは以前、罪の奴隷で、滅びて当然の者でしたが、十字架信仰によって罪赦され、神の僕とされました。しかし、

僕は僕でも、聖なる神の前には所詮欠けだらけの「ふつつかな僕」に過ぎません。イエスは「あなたがたの名が天にしる

されていることを喜びなさい」と言われました（ルカ　10・17〜20）。十字架上の死という莫大な犠牲のゆえに、ただ恵み

によって、神の国で永遠に生きるという莫大な報酬をすでに得ています。これ以上何を神に要求しようと言うのでしょう

か。私たちを損特計算抜きで愛しておられる神に喜んで仕える生涯を送ることができれば、もうそれだけで十分満足で

はないでしょうか。この譬え話は、やせ我慢を強いるものではなく、報酬や称賛を求めて生きることから解放するものな

のです。