一粒の麦が死んだなら（ヨハネ　第12章　20〜36a節）

2003年9月7日礼拝にて

　　�@キリストの死と生

「栄光を受ける時がきた」ことを悟ったキリストは「今わたしは心がさわいでる」と叫ばれました。ゲツセマネの苦悩が

すでにこの時始まっていたのです（マルコ　14・32〜42）。十字架の死は単なる死ではなく、、全人類の罪に対する神

の怒り、さばきとしての死だからです（�Uコリント　5・21）。「この時からわたしをお救い下さい。しかし、わたしはこのた

めに、この時に至ったのです」と祈られたキリストは、一粒の麦として十字架上で身代わりの死を遂げることによって

救いを完成され、神の国は成長し続けています。

　　�Aキリスト者の死と生

このキリストの生き方は、キリストを信じる者の生き方でもあるはずですが、その際、妨げになるのが「私が、私が」と

いう自我です。「一粒の麦が地に落ちて死」ぬ、すなわち自我がキリストと共に十字架につけられて死に、内住のキリ

ストに生きるならば（ガラテヤ　2・19〜20）、「豊かに実を結ぶようにな」ります。逆に、自我を突っ張って、憎むべきも

のを愛し、愛すべきものを憎んでいるならば、いつまでたっても「ただ一粒のまま」です。日々己に死んで十字架を負

い、神と人のために生きる者とされましょう。