七たびを七十倍するまで(マタイ 第18章 21〜35節)

2003年8月31日礼拝にて

  「兄弟が私に対して罪を犯した場合」、「七たびまで」赦せば十分と考えるペテロに、イエスは「七たびを七十倍

するまでにしなさい」とお答えになりました。何回赦したと記憶に留めている限り、本当に赦したことにはなりません。

本当の赦しとは、忘れることです。なぜ例外なしに無制限に赦さなければならないのか、果たしてそのようなことが

実行可能なのか、という疑問に対する解答が「赦さない僕の譬え」です(23〜35節)。

  一万タラント(約6千億円)の負債のある者」は、王のあわれみのゆえに赦されながら、「百デナリ(約百万円)を

を貸している・・・仲間に出会う」と、赦さず投獄しました。その結果、王のあわれみを失い、投獄されてしまいます。

  私たちは神の前に「一万タラント」もの莫大な罪の負債を負う者です。しかし、神のあわれみと十字架信仰のゆえ

に、莫大な罪を帳消しにされました。神から受けた莫大なあわれみに比べれば、人から受けた「百デナリ」の仕打ち

など取るに足りません。なのになぜ人の罪悪を赦すことができないのか、と譬え話は問いかけます。人の罪を心から

赦さない人は救いの恵みさえ失うことになりかねません。自らの救いも、赦しの愛の実践も、結局、十字架体験が

明確であるかどうかにかかっているのです。

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