『
…「見よ、処女が身ごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」
それは、訳すと「神が私たちとともにおられる」という意味である。』
（マタイの福音書 1章18～23節）
クリスマスのときに良く聞く、「インマヌエル」はヘブル語で、「インマヌ」（共に居る）と「エル」（神）から出来ています。神が、私たちと共にいるために、イエス・キリストとして誕生したことは、まさに「インマヌ・エル」です。この言葉が書かれている。２３節は、イザヤ書７章１４節からの引用です。そこには、処女が子を産むことは、ダビデの家へのしるし（サイン）だと伝えています。
預言者イザヤの時代、アハズ王のとき、イスラエル王国は南北に別れていました。北のイスラエルとアラムが手を組み、アハズ王を他の人と置き換えようと攻めてこようとしているとき、神が「それは起こらない、それはあり得ない。」（イザヤ７：７）と言って、与えられたしるしです。このように、「インマヌエル」には、このまま滅びてしまうように見える状況でも、そうはしないという神の約束の意味があります。
イエス・キリストが誕生した時代も、イスラエルはローマに支配され、苦しい中にありました。そのときに与えられたのが、イエス誕生のしるしです。そこには、イスラエルはこのまま滅びない、「それはあり得ない」という神のメッセージが共にありました。キリスト者が、「インマヌエル」と聞くとき、言うときには、「それはあり得ない」という神のメッセージが共に与えられているのです。
マリアと婚約中であったヨセフは、夢で告げられ、神に従う決心をしました。状況を見れば、マリアは律法を犯し、石打ちにされるところです。ヨセフは、神に従う決心をさせまいとする、律法や周囲の目、自分の中の疑心暗鬼よりも、神が告げたことを信じて従いました。これは人の力でできることではありません。乙女マリアが身ごもったことは、「聖霊に」（マタイ１：２０）よりますが、ヨセフの決心も、聖霊の助けがなければできない事です。私たちが生きる中で、神に従うことを妨げようとするものが多くあります。とにきは、絶体絶命に思えることもありますが、誘惑を退け、神に従うことができるようにと、神はイエス・キリストとして誕生してくださったのです。神は私たちが、神が共にいてくださること、神に従うことができることを大胆に求めることを、願っておられます。
