『・・・イエスは彼らに言われた、「さあ、（来て）朝の食事をしなさい」。弟子たちは、
　　　　主であることがわかっていたので、だれも「あなたはどなたですか」と進んで
　　　　尋ねる者がなかった。・・・・・・』
　　　　　　　　　(ヨハネの福音書　21章1～14節）


　ペテロを代表とする弟子たちは、十字架に向かうイエスを裏切った事で落胆していました。復活した
イエスに、ガリラヤへ行くように言われ、彼らの原点であるガリラヤから再出発をすることになりました。
その原動力は何だったのでしょうか。
　ガリラヤは、彼らの故郷であり、イエスと出会い、従うことを決意した地です。イエスの福音は広がって、
皆の救い主となりましたが、彼らがガリラヤで出会ったときのイエスは、個人的な私の主でした。
　王となったイエスの臣下になる野望を打ち砕かれ、復活した主に出会っても、彼らは打ちひしがれていた
ように見えます。目の前の主を失った彼らは、失意のうちに漁師に戻ろうとします。そんな彼らに、イエスか
ら近付いて声を掛けて下さいました。そして、師であるイエス自信が彼らのために食事を用意し、来て食べ
るようにと招かれます。その空間は、皆のイエスではなく、彼らが従うと決めたときの、私の主としてでした。
この先の21,22節には、イエスとの関係は個人のものであり、他の人とイエスの関係は、あなたには係わり
が無いとペテロは言われました。失敗した弟子たちは、個人的にイエスと再会することにより、再出発をす
ることができました。これは、ルカ5章と似たような出来事ですが、ペテロの反応は以前と異なり、イエスと
過ごした時間でペテロが変わっている事が判ります。
　 私たちも、主に従おうとしてうまく行かないとき、人生がうまく行かな様に感じるとき、立ち返るところは、
私の主ではないでしょうか。イエスは、皆の救い主として十字架に架かりましたが、私一人のためであった
としても、十字架に架かるほどに愛して迎えて下さっています。

落胆×再出発×再開　（ヨハネの福音書　21章1～14節）

　2021年7月25日礼拝にて