『・・・・・主は彼に言われた、「あなたの手にあるそれは何か」。彼は言った、「つえです」。
　　　　　また言われた、「それを地に投げなさい」。彼がそれを地に投げると、へびになったので、
　　　　　モーセはその前から身を避けた。主はモーセに言われた、「あなたの手を伸ばして、
　　　　　その尾を取りなさい。――そこで手を伸ばしてそれを取ると、手のなかでつえとなった。
　　　　　――これは、彼らの先祖たちの神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である主が、
　　　　　あなたに現れたのを、彼らに信じさせるためである」。・・・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（出エジプト記　4章1～5節）


　神がモーセに自らを現して、彼をエジプトの王につかわそうとされた時、モーセはいろいろな理由を挙げて
それが難しく、実現不可能であると神に伝えようとしました。しかし神は彼にしるしを与え、彼自身が共にいて
くださる神を体験し、受け入れることができるようにしてくださったのです。モーセが自分の民に代表として受
け入れられ、さらにエジプトの王の前に立つためには、大きな覚悟が必要でした。けれども彼が自分の歩み
を振り返ったとき、神はモーセに必要な学びと訓練を十分に与えてくださっていました。そして最後に何よりも
大切なこととして、自分ではなく神を信頼し、いつも共にいて教え導いてくださるということを、直接与えられた
交わりを通して教えて下さったのです。神はモーセがいつも手にしていた杖をはじめのしるしとして与えられ
ましたが、エジプトの王の心をかたくなにすることによって、さらに多くの神の手の業をイスラエルやエジプトの
人々だけではなく、すべての人々にあらわしてくださいました。わたしたちは今何を手にしているでしょう。神は
特別なものだけではなく、わたしたちが日常に手にしているものを証しとしてくださいます。それだけでなく必要
ならば何度でも何度でも神の業を見せてくださり、わたしたちを教え、訓練し、ひとりでないことを繰り返し教え、
用いてくださるのです。激動の半年が過ぎようとしていますが、神の恵みの御業をさらに期待し、神の前の平
和をすべての人が持つことが出来るように、求めようではありませんか。

あなたの手にあるものは何か　（出エジプト記　4章1～5節）

　2020年6月28日礼拝にて