『・・・・・兵士たちが出ていくと、シモンという名のクレネ人に出会った。彼らはこの人に、
　　　　イエスの十字架を無理やり背負わせた。ゴルゴタと呼ばれている場所、すなわち
　　　　「どくろの場所」に来ると、彼らはイエスに、苦みを混ぜたぶどう酒を飲ませようとした。
　　　　イエスはそれをなめただけで、飲もうとはされなかった。彼らはイエスを十字架につけて
　　　　から、くじを引いてその衣を分けた。それから腰を下ろし、そこでイエスを見張っていた。
　　　　彼らは、「これはユダヤ人の王である」と書いた罪状書きをイエスの頭の上に掲げた。
　　　　そのとき、イエスと一緒にいた二人の強盗が、一人は右に、一人は襞に左に、十字架に
　　　　つけられていた。・・・・・』
　　　　　　（マタイによる福音書　27章32～38節）


　鞭打たれたイエス・キリストは、自分の十字架を背負い切ることができませんでした。そして、その十
字架を無理やり背負わされたのは、たまたまそこに居合わせた、クレネのシモンでした。その時彼は、
どのように感じ、考えたでしょう。彼は背負う必要のないもの背負い、しかもそれは死刑の道具だった
のです。やがて主は、二人の強盗と共に十字架に釘付けられますが、その強盗の人生の中にも、神は
深く介入してくださっていました。同じように、わたしたちの何気ない毎日の中にも、神の深い恵みの計
画があふれています。それを見いだすために、自分の思いに縛られるのではなく、どんな時にも愛をも
って導いてくださる神を認めなければなりません。 わたしたちはこの主によって、与えられた人生を、楽
しみ喜ぶことができるからです。いよいよ受難週に入りますが、主の十字架の恵みを覚えて感謝し、こ
のような時代のただ中にあっても、主と共に生きるものとさせていただこうではありませんか。

主と共に生きる　（マタイによる福音書　27章32～38節）

　2021年3月28日礼拝にて