『・・・・・そして、そばに立っていた人々に、『その一ミナを彼から取り上げて、
　　十ミナを持っている者に与えなさい』と言った。彼らは言った、『ご主人様、
　　あの人は既に十ミナを持っています』。『あなたがたに言うが、おおよそ
　　持っている人には、なお与えられ、持っていない人からは、持っているもの
　　までも取り上げられるであろう。・・・・・』
　　　　　　　　　　　　（ルカによる福音書　19章11～27節）


　今日は棚倉と白河の説教者が交代する予定でしたが、大型台風の影響もあるので移動しないで
奉仕することになりました。さて、今日はミナの譬えがテキストです。主人が王位を受けるため、遠
くに旅立つにあたり十人の僕たちを呼び、「帰ってくるまで、これで商売をしなさい」と一ミナずつ与
えました。本国の住民は彼を憎んでいたので使者を送り、「彼が王になるのを望んでいない」と言わ
せたのです。やがて王位を受けて帰ってきた主人は僕たちを呼び、どれだけ儲けたかを尋ねます。
そこである者は十ミナ、またある者は五ミナ、三ミナ、と報告します。ところが何もせずに一ミナを
主人の前に返した僕は、主人が厳しい方なのでと弁明します。主人は数ミナ儲けた僕たちにミナの
数に従って町を支配させましたが、何もしなかった僕は与えられていたものまでも取り上げられてし
まいました。わたしたちは神によって命を与えられ、使命を与えられて生かされています。どのように
働くかはそれぞれであったとしても、神の求めておられるのは忠実であることです。周りの人々の言
葉や自分自身の思いに支配されるのではなく、自分に与えられている使命を土台として、どんな時に
もぶれないで生きることが大切なのです。普段の生活においてはその価値を実感することができなく
ても、思いがけない出来事に遭遇する時、神が共にいてくださることの恵みを実感し、心から感謝する
ことができるのは、神を信頼して生きる者の特権です。わたしたちも、何が起こるかわからないこの
世界に生きる者として、動くことのない者を土台とさせていただこうではありませんか。

持っている者と持っていない者　（ルカによる福音書　19章11～27節）

　2019年10月13日礼拝にて