『・・・・・夜が明けたころ、イエスが岸に立っておられた。しかし弟子たちはそれが
　　イエスだとは知らなかった。イエスは彼らに言われた、「子たちよ、何か食べる
　　ものがあるか」。彼らは「ありません」と答えた。すると、イエスは彼らに言われた、
　　「舟の右の方に網をおろして見なさい。そうすれば、何かとれるだろう」。彼らは網を
　　おろすと、魚が多くとれたので、それを引き上げることができなかった。』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヨハネによる福音書　21章1～11節）


　イエス・キリストの復活の後、リーダーを失ってなすべきことがわからなくなった弟子たちは、シモン・
ペテロと共に漁に向かいました。何も取れずに夜が明けた頃、岸にイエスが立っておられ『何か食べる
ものがあるか』と聞かれ『ありません』とこたえると『舟の右のほうに網を下ろして見なさい』といわれま
した。弟子たちが主の言葉どおりに網を下ろすと百五十三匹の大きな魚が取れたのです。その時ペテ
ロは『あれは主だ』と海に飛び込み岸に向かいました。

　ペテロが最初に主に出会ったとき、夜通し漁をしたのに一匹も取れずに網の繕いをしていました。多く
の群衆が主の話を聞くために押し寄せてきており、主はペテロに願い舟に乗って、岸辺の人々に話され
たのです。話し終わった後、主はペテロに『沖に漕ぎ出し、網を下ろしてみなさい』といわれ『お言葉です
から・・』網をおろしたところ沢山の魚で、舟が沈みそうになりました。おそらくペテロは、その時のことを
思い出して『あれは主だ』と言ったのでしょう。 　わたしたちも主との出会いや導きの中で、さりげない出
来事の中にも主の備えがあるとこを教えられます。『沖へこぎだして網をおろしてごらんなさい』といわれ
た主は『舟の右側に網をおろしてごらんなさい』ともいわれます。主はいまあなたに対して、どのような声
をかけておられるでしょう。特別なところではなく、日常の中にこそ神の愛の導きがあるのです。わたした
ちもいつも共にいてくださる主を認め、日々の歩みの中から主の声を聞き、そして従うものとさせていた
だこうではありませんか。

右側に網を打つ　（ヨハネによる福音書　21章1～11節）

　2019年5月19日礼拝にて