『・・・・・八日ののち、イエスの弟子たちはまた家の内におり、トマスも一緒にいた。
　　戸はみな閉ざされていたが、イエスがはいってこられ、中に立って「安かれ」と言われた。
　　それからトマスに言われた、「あなたの指をここにつけて、わたしの手を見なさい。
　　手をのばしてわたしのわきにさし入れてみなさい。信じない者にならないで、信じる者に
　　なりなさい」。トマスはイエスに答えて言った、「わが主よ、わが神よ」。イエスは彼に
　　言われた、「あなたはわたしを見たので信じたのか。見ないで信ずる者は、
　　さいわいである」。・・・・・』
　　　　　　　　　（ヨハネによる福音書　20章21～29節）


　イエス・キリストの復活の事実を受け入れることは、主と共に生活していた弟子たちにとっても難しい
ことでした。主が復活された日の夕方、弟子たちは集まってよみがえられた主に出会った人々の話を
していました。そこに主は現れ、一同は喜びに溢れましたが、トマスはそこにおらず『お前たちは主を
愛していたから幻を見たのだ』といい、『自分は決して信じない』と言い切ったのです。八日の後、今度
はトマスもいるときに主は姿を現されます。このとき主はトマスに対して『あなたの指を手の釘あとに差
し入れ、あなたの手をわきに差し入れてごらんなさい。』と語りかけ、『見ないで信じるものはさいわいで
ある』と諭されました。けれども、受け入れることができなかったのはトマスだけではなく、ほかの弟子た
ちやわたしたちも同じです。頭では理解しているつもりでも、心は拒絶してしまい、この世の常識によっ
て判断し決め付けてしまうのです。ペテロはイエス・キリストにどこまでも付いて行くと言い、逃げてしまい
ましたし、トマスは主の復活のニュースをいろいろな人々から聞いていても信じることが出来なかったの
です。神がわたしたちに求めておられるのは、主の復活信じるかどうかではなく、主を復活させることの
出来る神を認め、その神を信じる信仰によって生きることなのです。さらに主は、弱さを経験したわたし
たちをあえて選び、そして平安を与えて遣わしてくださるのです。あなたは何を信じているのでしょうか。
わたしたちの内にあって、今も生きて働かれている神を信じようではありませんか。

見ないで信じる　（ヨハネによる福音書　20章21～29節）

　2019年5月5日礼拝にて