『・・・  イエスは彼らの偽善を見抜いて言われた、「なぜわたしをためそうとするのか。
  デナリを持ってきて見せなさい」。彼らはそれを持ってきた。そこでイエスは言われた、
  「これは、だれの肖像、だれの記号か」。彼らは「カイザルのです」と答えた。すると
  イエスは言われた、「カイザルのものはカイザルに、神のものは神に返しなさい」。
  彼らはイエスに驚嘆した。

       (マルコによる福音書 12章13~17


 イエス・キリストの語る言葉が人々の心を捉え、多くの人がイエス・キリストに会うために集まるよう
になると、それを快く思わない人々は、その言葉尻を捕らえようとしました。それに対して主は、否定
するのではなく、むしろ人のあるべき基本的な姿勢を教えられました。すなわち「カイザルのものは
カイザルに、神のものは神に返しなさい 」と語られたのです。これはわたしたちが自分の人生、ある
いは生き方の土台を、何に置いているかという問いかけでもあります。わたしたちは自分では自由だ
と思っていても、実は知らず知らずのうちに、いろいろなものによって縛られています。わたしたちが
人の前には誇ることができても、神の前にはすべてが与えられたものであり、自分のものは何一つ
なかったということに気が付いた時、この世のいろいろな物から自由になることが出来るのです。信
仰生活を送るにあたって、わたしたちは神を信じ、イエス・キリストによる十字架の救いを信じます。
けれども現実にはそれに先立つこの世の人の知恵や、人間関係などがあり、信仰を持つためには
大きな壁となってしまっているのです。わたしたちももう一度自分自身を点検し、神によって造られ、
さらに、イエス・キリストによって救われて生かされていることを一番の恵みとし、主なる神を土台とし
て生きようではありませんか。

神のものは神に返しなさい (マルコによる福音書 12章13~17節)

 2017年10月15日礼拝にて
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