『あなたがたの父は、これらのものがあなたがたに必要であることを、ご存じである。
　　ただ、御国を求めなさい。そうすれば、これらのものは添えて与えられるであろう。
　　恐れるな、小さい群れよ。御国を下さることは、あなたがたの父のみこころなのである。
　　自分の持ち物を売って、施しなさい。自分のために古びることのない財布をつくり、
　　盗人も近寄らず、虫も食い破らない天に、尽きることのない宝をたくわえなさい。
　　あなたがたの宝のある所には、心もあるからである。」。』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（マルコによる福音書　12章22～34節）


　現代の日本は最低限の人権と生活が保障され平和に見えますが、それでも思い煩いは、無くなる
ことはありません。むしろ複雑な人間関係や貧富の格差、誰にでも訪れる老化や病気、気候の変動
や地震などによる突然の災害など、いつの時代においても同じような課題が、人々の現実の生活に
重くのしかかっています。そのような中、わたしたちが明確な目標を持ちそれを実現していくことによっ
て、不安や恐れを喜びや楽しみに変えていくことが出来ます。自分自身が弱い時に不安は増大し、
やがて訪れるはずの将来の喜びや希望が見い出せ無くなり、意欲も失われてしまいます。イエス･キ
リストは弟子たちに野の花や空の鳥を養ってくださる神を示し、『思い煩うな！』と教えられました。

すなわちわたしたちの必要をすべてご存知の神は、わたしたちが、どんな時にも神を信じ、重荷と
思い煩いを神の御手のなかに委ねきることを願っておられるのです。わたしたちが神の思いを知り、
自分の置かれた状況に確信を持つことが出来れば、思い煩いではなく望みを持つことが出来ます。
あなたは神がわたしたちを愛して、すべての必要を豊かに満たしてくださることを知っているでしょ
うか。周囲の人々の表面的な姿を見てうらやましがり、この世のものにしがみつくのではなく、握って
いるものを手放し、すべてをご存知の神の前に宝をたくわえる生き方をしようではありませんか。

思いわずらうな、ただ御国を求めなさい　（マルコによる福音書　12章22～34節）

　2017年7月30日礼拝にて