『主よ、あなたはわたしを探り、わたしを知りつくされました。あなたはわがすわるをも、
　　立つをも知り、遠くからわが思いをわきまえられます。あなたはわが歩むをも、伏すをも
　　探り出し、わがもろもろの道をことごとく知っておられます。わたしの舌に 一言もないのに、
　　主よ、あなたはことごとくそれを知られます。・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（詩篇　139篇1～9節）


　わたしたちの人生は、わたしたちの願いによって導かれたものではなく、神から一方的与えられた一人一人
に対するチャレンジです。考えてみればわたしたちが時代を選んだわけではなく、もちろん国やその家族を選
んだわけではありません。ただ、気が付けば与えられていた その環境の中で自分のでき得る努力をしながら、
今を生きていくことがすべてなのです。ところが限りある人生を生きているわたしたちは、自分のためにだけ生
きていると、やがて行き詰まり、時に失望を経験することになります。神はそんなわたしたちを愛し、自分のため
に生きるのではなく、神によって生かさる人生、すなわち神と人とに仕える人生を与えてくださったのです。

そこには、時代や家柄による違いはなく、むしろ神を信じ神に従う信仰が問われているのです。今日のテキスト
に、『･･･あなたは私を探り、私を知り尽くされました。・・・」とありますが、主はわたしたちを知っていてくださるだけ
ではなく、愛してくださっており、どんな時にもわたしたちを離れず、共に歩んでくださっていることを、いろいろな出
来事を通して教えてくださいます。わたしたちにとって大切なのは、家柄でも能力でも賜物や財産でもなく、わたし
たちに愛を注いでくださっている神ご自身を知ることです。しかもただ神を知っているというのではなく、神を自分
の心に迎え入れ主と共に生きる経験を積み上げることを求められているのです。わたしたちの弱さも課題もすべ
て知ってくださっている神を認めることによって、神の平安を頂こうではありませんか。

すべてを知っておられる神　（詩篇　139篇1～9節）

　2016年11月20日礼拝にて