『・・・ わたしがこれらのことを語ったのは、あなたがたがつまずくことのないためである。
　　人々はあなたがたを会堂から追い出すであろう。更にあなたがたを殺す者がみな、
　　それによって自分たちは神に仕えているのだと思う時が来るであろう。彼らがそのようなことを
　　するのは、父をもわたしをも知らないからである。わたしがあなたがたにこれらのことを言ったのは、
　　彼らの時がきた場合、わたしが彼らについて言ったことを、思い起させるためである。・・・』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヨハネによる福音書　16章1～11節）


　イエス･キリストを信じて救われたことによって、喜びと平安に満たされることはすばらしいことです。 しかし、
神がイエス･キリストを通して、わたしたちに教えてくださったのは、この世には悩みがあるということと、その
悩みを一人で背負うのではなく、神とともに背負うことによってどんな困難の中にあっても希望を持つことが
できるということです。イエス･キリストは弟子たちと共に歩む中で、人の弱さと天国の希望を繰り返し教えられ
ました。そして自らは、時至って十字架の道を歩みだされました。弟子たちは目に見えるイエス･キリストを通し
て、目に見える現実の世界における平安を望み見ていたのです。しかし、十字架に向かわれる主の姿を通し
て、彼らはイエス・キリストと自分たちの思いの違いに気が付くことになります。イエス･キリストは捕らえられる
前弟子たちに、主を信じる者たちがこれからどのような迫害に遭い苦しむことになるのかを教えられました。
それでも主は、自分が弟子たちのもとを去ることが必要であり、目に見えるものに頼ってしまう弟子たちが、
目に見えなくても共に働かれる聖霊を経験することができるようにして下さったのです。すなわち彼らを愛し
覚えてくださっている神に望みを持ち、近づくことができるようにしてくださったのです。イエス・キリストは弟子
たちを愛し、心配し、彼らが主の十字架につまずいて絶望することがないように、備えてくださっていたのです。
わたしたちにも愛してくださっている主なる神によって、人生につまずくことがないようにいろいろな備えが用意
されているのです。

つまずくことのないために　（ヨハネによる福音書　16章1～11節）

　2016年11月06日礼拝にて