『さてザカリヤは、その組が当番になり神のみまえに祭司の務をしていたとき、祭司職の慣例に
　　従ってくじを引いたところ、主の聖所にはいって香をたくことになった。香をたいている間、多くの
　　民衆はみな外で祈っていた。すると主の御使が現れて、香壇の右に立った。ザカリヤはこれを
　　見て、おじ惑い、恐怖の念に襲われた。そこで御使が彼に言った、「恐れるな、ザカリヤよ、
　　あなたの祈が聞きいれられたのだ。あなたの妻エリサベツは男の子を産むであろう。その子を
　　ヨハネと名づけなさい。』
　　　　　　　（ルカによる福音書　1章8～23節）

　クリスマスはわたしたち一人ひとりに対する神の熱いメッセージです。それは「あなたは覚えられている」で
あり「あなたの祈りは応えられる」、「どんな時にも待ち望め」でもあります。祈りはすぐに応えられるものでも、
自分の思い描いたように応えられるものでもありません。むしろ願っても応えられず、祈っても聞かれず、ど
んなに一生懸命祈っていても、ますます状況の悪くなることすらあります。ザカリヤとエリサベツには子供があ
りませんでした。しかし神は彼らが歳をとり、子供を願わなくなってからその願いに応えられます。それは、子
供が成長していく姿を見守るためではなく、どのような状況の中にあっても神が愛の計画を持って導いてくだ
さっていると信じるためでした。信じることのできなかったザカリヤの口が利けなくなったことは、神が御使い
を通して与えてくださった約束の証拠でした。おそらくザカリヤとエリサベツの祈りは、最初は子供であったと
しても、いろいろな経験と共に変化してきたことでしょう。自分達の幸せのための祈りから、愛する家族や友
人の幸せのため、また歳を重ねるうちに、地上で苦しみ戦っているすべての人々が、自分たちが経験した神
の平安を得るように願わなかったはずはないでしょう。だからこそ、「あなたの祈りが聞き入れられた」と神は
御使いを通して語ってくださったのです。神はわたしたちの願い求める祈りを通して、わたしたちを整え、成長
させてくださる方でもあるのです。今、あなたはどんな祈りを神の前にささげているでしょう。神は働いて、あな
たに平安を与えて下さるだけでなく、時には苦しみも中にも確かに神が共にいてくださると信じるための恵みと
変えてくださいます。このクリスマスが、神があなたに心からの願いを与え、しかもそれに豊かに応えてくださる
と信じる時とさせていただきましょう。

あなたの祈は聞き入れられた　（ルカによる福音書　1章8～23節）

　2015年12月6日礼拝にて