愛を追い求めなさい　（コリント人への第一の手紙　14章1～12節）

　『愛を追い求めなさい』
　　　　　　　（コリント人への第一の手紙　14章1節）


　いかなる霊の賜物でも、愛がなければその賜物の価値を失ってしまうことを語ってきたパウロは、愛を
追い求めなさいと命令しています。

１．預言は異言にまさる　(１～5節)
　異言は、人に話すものではなく、神に話し、自分の霊で奥義を語るものでした。そのため、人に理解される
原語表現ではなく、個人の霊性からくる言葉だったようです。一方、預言は、人の徳を高め、勧めをし、慰め
を与えるために、人に向かって語るものです。異言は自分の徳を高めますが、預言は教会の徳を高めるの
です。ですから、パウロは、威厳よりも預言がまさるといいました。


２．異言の賜物の持つ問題性(6～12節)
　パウロは、楽器の音色やラッパの音を通して、もし無意味に音を出したら、何の役にも立たないように、不
明瞭な言葉で語る異言は、人々にとって、何の役にも立っていないと指摘します。当時、異言の賜物は、特
別なものとして、高く評価されたり、本人の自慢ともなっていたようです。それでは、せっかくの賜物も、愛の
ない、価値のないものとなっていました。 賜物というのは、愛の精神に基づいて、他人の益を図り、他人の
徳を高めていくものです。私たちは、与えられた賜物を自分の誇りとするような過ちを犯すことなく、愛を追い
求めて、教会のために、地域のために、隣人のために用いていくものとさせていただきましょう。

　2015年7月26日礼拝にて