『そこで、僕たちは道に出て行って、出会う人は、悪人でも善人でもみな集めてきたので、
　　婚宴の席は客でいっぱいになった。・・・・招かれる者は多いが選ばれる者は少ない。』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ルカによる福音書　1章　10〜14節）


　　イエス・キリストはその生涯の中で、いろいろな譬えをもって神の国や天国について語られました。

それは、わたしたちが人の知識や経験に頼ってしまい、神の支配とその恵みを、自分の思い込みに

よって理解することのないためです。今日のテキストでは「天国とは・・・」と語られた主が、王子の婚

宴のエピソードを通して、招かれる者、招きを拒絶する者、はじめは招かれていなかったのに後から

無条件に招かれた者、せっかく招かれたのに放り出された者の姿を通し、わたしたちに自分では気

付いていない、神の前の現実の姿を教えてくださっています。神はわたしたちに命を与え、恵みと祝

福の約束を持って導いておられます。けれども、どんなにわたしたちが主に従っているつもりでも、

神に忠実で無ければその祝福にあずかることはできません。かえって従っているつもりで神を悲し

ませ、自分が正しいつもりで罪を犯してしまっていることもあるのです。王の婚宴に招かれるのは大

きな恵みです。しかし、自分の行いや持っている賜物によってではなく、ふさわしくない者であること

を認め、神の一方的な恵みであるキリストの十字架に立つことこそ、神に選ばれるために必要なたっ

た一つの条件なのです。

招かれる者と選ばれる者　（マタイによる福音書　22章1〜14節）

　2010年02月14日礼拝にて