あなたはいつもわたしと一緒にいる (ルカによる福音書 15章 25〜31節)
2008年05月04日礼拝にて
『すると父は言った、「子よ、あなたはいつもわたしと一緒にいるし、またわたしの
ものは全部あなたのものだ。しかし、このあなたの弟は、死んでいたのに生き返り、
いなくなっていたのに見つかったのだから、喜び祝うのは当たり前である。」』
(ルカによる福音書 15章 31〜32節)
イエス・キリストが語られた中でも『放蕩息子』のたとえはよく知られているものの
ひとつである。自分の受けるべき財産をもらうと、家を飛び出し、すべてを失ってし
まう弟。しかし本心に立ち返った時、この息子は父の思いを悟り、家に帰る。さて、
彼は赦されただろうか?もちろん、父は彼を認め、走りよって抱きしめ、喜びの祝
宴を開いた。しかし、これを知った兄は面白くなく、すねてしまうが、父は兄のとこ
ろに近づき彼を諭す。このたとえの面白さのひとつは、弟、兄、父、僕、住民など、
いろいろの視点で考えることができることである。普段わたしたちは自分の立場
で物事を見て評価しているが、本当に大切なのは、神の視点である。わたしたち
の生涯が失敗のないものであればと願うのは当然であるが、実際は、いろいろ
な困難や戦いにさらされながら生きなければならない。しかし神は私たちに、失
敗しても、大切なものを失っても、病に倒れても、イエス・キリストの十字架の事
実のゆえに、わたしたちを自由にし、喜びにあふれさせてくださる。とにかく、わ
たしたちのすべてを背負い、共に歩んでくださる主のゆえに、人間的なこの世の
思いに縛られるのではなく、キリストによる自由と喜びに生きるものとさせてい
ただこうではないか。