「・・・これらのことを話していると、イエスご自身が彼らの真ん中に立ち、
「平安があなたがたと共にあるように」と言われた。彼らはおびえて震え上がり、
幽霊を見ているのだと思った。そこでイエスは言われた。「なぜ取り乱しているのですか。
どうして心に疑いを抱くのですか。わたしの手やわたしの足を見なさい。まさしくわたしです。・・・」・・・」
（ルカの福音書 24章36～43節）
五月に入り、木々の新緑が山をおおい、いたるところに新しい命が芽生えてきています。四季のある生活をしているわたしたちにとって、木が葉を落とし草が枯れてしまう冬は、あたかも世界が死に覆われてしまっているようにも見えます。
しかし死んだように見える世界も、数えきれないほどのいのちに、あふれているのです。
主が十字架にかかって死なれた事実は、多くの人々に絶望を与えました。しかし神は生きておられ、主に再び命を与えて、人々の前に立たせてくださいました。わたしたちもまた、神によって与えられたいのちによって、生かされています。復活された主は、弟子たちの前に新しい姿ではなく、十字架で傷ついたままの肉体をもって立たれました。弟子たちは驚きおびえましたが、主はその姿をもって、死からよみがえられた事実を示し、神の深い思いを教えられたのです。
わたしたちはどうでしょう。限られた命を与えられていても、やがては死んでしまうとがっかりし、諦めた人生を歩んではいないでしょうか。神はわたしたちを愛し、その命の主がわたしたちと共にいてくださるのです。わたしたちの目には死んだように見え、終わってしまったように思えても、命の主はわたしたちと共にいてくださり、どんな時にも消えることのない希望を与え続けて下さっているのです。主はわたしたちの前にも立ち、平安を告げてくださっています。わたしたちも心の目を開き、この命の主を見上げていこうではありませんか。