『
…サラは言った。 「神は私に笑いを下さいました。これを聞く人もみな、私のことで笑うでしょう。」…』
（創世記 20章14～21章7節）
召天された方を思い返すとき、神に贔屓（ひいき）され、恵みの中を歩んだと思える人がいます。苦しい道のりの人生である
とき、それが際立つ様に思います。そして、その人生の中に、神の祝福があったと気付きます。なぜ神の贔屓があるのでしょ
うか。自分は贔屓されることがあるのでしょうか。祝福の源流であるアブラハムの生き方を通して、見て行きます。
アブラハムには祝福の約束がありました。アビメレクとのやり取りで、神に贔屓されていることが目立ちます。揉め事の発端
はアブラハムであるのに、アビメレクから和解の申込があり、アブラハムは和解の品々を受取りました。聖書は、このときのア
ブラハムを非難していません（ヘブル１１：１１）。人は信じていても、揺れ動くのは当然のこととして受け入れ、そうして関係が
深まっていくと見なしています。むしろ、一度も疑ったことがない人は、まだ自分で考えられていない可能性があります。
アブラハムへの祝福により、アビメレク側には子が産まれなくなりました。一方で、アブラハム側には神が言われたとおり、約
束の子が産まれました。神は命を司り、「生めよ。増えよ。地に満ちよ」と言われたのは祝福だという事が分かります。
神がアブラハムを贔屓したのは、アブラハムへの約束、神の計画があったからです。本当の約束の子である、イエス・キリスト
へと繋がる、最初の約束の子、イサクを与える約束。イサクから続く、約束の子の家系を通してイエスが産まれ、世界を救う神
の計画。これらのために、アブラハムは守られ、恵みを与えられました。
イサクの誕生で、アブラハムの信仰は深まり、神が命じられたとおりにイサクに割礼をし（２１：４）、サラは喜びをもって笑う（イ
サク）ようになります。約束の子の家系は祝福され、神に笑いと喜びがもたらされます。
サラとイサクは、罪から解放された自由な子の象徴です（ガラテヤ４：２６，２７）。そして「私たちは、イサクのように約束の子ど
もです。」（ガラテヤ４：２８）ですから、私たちの人生を振り返ったときに、そこに神の贔屓と祝福が見えるのです。
