十字架のキリスト　（ルカによる福音書　23章　39〜43節）

　2012年4月1日礼拝にて

　『もうひとりは、それをたしなめて言った、「おまえは同じ刑を受けていながら、神を恐れないのか。
お互は自分のやった事のむくいを受けているのだから、こうなったのは当然だ。しかし、このかたは
何も悪いことをしたのではない」。そして言った、「イエスよ、あなたが御国の権威をもっておいでに
なる時には、わたしを思い出してください」。イエスは言われた、「よく言っておくが、あなたはきょう、
わたしと一緒にパラダイスにいるであろう」。』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ルカによる福音書　23章　39〜43節）


　３月は厳しい寒さの残る中、神学生の卒業、派遣などであわただしく過ぎましたが、新しい年度は

受難週をもって迎えることとなりました。わたしたちの生涯は神によって導かれていますが、その土

台は神の愛であり、その証しは十字架の事実です。神はわたしたちを、この世のすべての罪の重

荷から自由にするために、人となってくださり、十字架にかかって死んでくださったのです。イエス・

キリストは二人の強盗と共に十字架にかかられました。自分の行いの結果として十字架に付けられ

た強盗でしたが、ひとりはイエスの姿を通してその罪を認めて悔い改め、イエスをあざけっていたもう

一人の強盗をたしなめました。ここにわたしたちに対する慰めがあります。わたしたちの罪が大きい

か小さいかではなく、神の前の自分の姿を認め、イエス・キリストを通して約束された神の救いを信じ

受け入れることこそ、わたしたちの成すべき悔い改めであり救いなのです。十字架のキリストは、わ

たしたちの現実の姿を映す鏡であると同時に、わたしたちを愛してくださっている神の証なのです。