わたしがあなたがたを選んだ　（ヨハネによる福音書　15章　16節）

　2011年5月8日礼拝にて

　『あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだのである。
　　そして、あなたがたを立てた。それは、あなたがたが行って実をむすび、その実が
　　いつまでも残るためであり、また、あなたがたがわたしの名によって父に求めるものは
　　なんでも、父が与えて下さるためである』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヨハネによる福音書　15章　16節）


　　12弟子の中には漁師、取税人、過激な人、短気な人もいれば、疑い深い人もいました。「え！
あの人が？」と周りから言われるような個性の強い人達ばかりだったかもしれません。弟子の誰も
が自分の意志でイエス様に従って来たと思っていたでしょう。しかしイエス様は、弟子たちがイエス
様を選び従って来たのではなく、神様であるイエス様ご自身が弟子たちを選び立てられた（任命さ
れた）ことを明確にされたのです。神様が彼らを選ばれた目的は「それは、あなたがたが行って実
をむすび、その実がいつまでも残るためであり、」とあるように、実を結ぶため、すなわち神様の計
画を実現するために他なりません。神様の栄光が現されるために一人一人が選ばれ、立てられ
（任命され）たのです。しかし、当の弟子たちは栄光を現すどころか、イエス様を裏切り、散り散り
に離れ去ってしまいました。「死ぬまであなたと一緒にいます」と豪語したペテロは、三度もイエス
様を否定しました。イエス様を裏切り、自分たちも命を取られるのではないかと怯え、隠れていた
ような弟子たちでしたが、十字架の死から復活されたイエス様に出会い、力づけられ立ち上がり
ます。「…あなたがたがわたしの名によって父に求めるものはなんでも、父が与えて下さるためで
ある。」と御言にあるように、祈り求めた弟子たちにイエス様が約束された聖霊が与えられ、彼ら
は大胆にイエス様の復活を証し、力強く福音を宣べ伝え、神様の栄光を現していったのです。

　　私たち一人ひとりも神様によって選び立てられ、生かされている存在です。実に神様は私たち
一人ひとりを必要な場所に、それも絶妙なタイミングで置いてくださいます。それは、神様の栄光
が私たち一人ひとりを通して現されるためです。しかし、私たちは神様の栄光が現されるようにと
祈り願いながら、自分の思いや願いを通してしまってはいないでしょうか。また、神様の思いや計
画が、必ずしも私たちの思いや願いと一致するとは限りません。「なぜ？」と思うようなことが起っ
たり、時には置かれたところで疲れ果て、倒れてしまったり、「こんなはずではなかった」と、嘆い
てしまうこともあるでしょう。イエス様は言われました。「わたしがあなたがたを選んだのである。
そして、あなたがたを立てた。」神様が選ばれた以上、神様が全ての責任を負って下さいます。
愛なる神様は、私たちの弱さや至らなさも知った上で、私たちを愛し「わたしがあなたがたを選ん
だ、だから心配しなくてもいいんだよ」と言っておられるのです。さらに、神様の栄光を現すために
必要な力や助けも、イエスの名によって神様に祈り求めるなら、与えられるのです。神様の力に
よって、神様の栄光を現し続ける献身の生涯を歩ませていただきましょう。